製品Q&A ボンディング材

AQボンドSP

AQボンドSPとは?

ご好評いただいていたAQボンド プラスを改良した「歯科用象牙質接着材」です。AQボンドSPは接着性能の向上を図りながら、簡単操作と経済性を追求した製品です。

性能特長

  1. 歯質接着性能を向上
  2. 操作時間の短縮を実現
  3. 目視確認できる均一な成膜性を実現
  4. う蝕影響象牙質への薄膜接着を継承

AQボンドSPの接着原理

ボンド混合液を歯面に塗布すると、その中に含まれる4-METAが初めは酸として働いて歯質表面のスメア層を溶解し、歯質表面をマイルドに脱灰(エッチング)します。ついで他のモノマー成分の歯質への拡散を促進するとともに、光照射によりそれらと共重合してボンディング材層と樹脂含浸層を形成します。

性能・成分

AQボンド プラスとの被膜厚さの違いは?

AQボンド プラスでは3μmでしたが、AQボンドSPでは5μmです。厚みを持たせたことによって、被膜の目視確認が容易になりました。厚みを持たせたことによる臨床上でのデメリットはありません。

AQボンドSPの成分は?

以下の表を参考にしてください。pHはAQボンド プラスと同じ2.5です。

  AQボンドSP
成分 ボンド アセトン・水(計約70%)
メタクリル酸エステル類
(4-META、その他)
アクリル酸エステル類
光重合触媒
安定剤
キャタスポンジ 芳香族スルフィン酸塩
芳香族アミン

キャタブラシはないのですか?

AQボンド プラスでは、利便性を考えキャタブラシを販売しましたが、AQボンドSPではキャタブラシの販売を中止し、セット価格を下げることで購入しやすくなると考えました。

なぜボンディング材層が5μmと薄くなるのですか?

AQボンドSPの混合液は70%がアセトンと水です。アセトンも水も最終的にはボンディング材層の外に出されるため5μmと薄くすることができます。

ボンディング材層が薄膜ですが問題はありませんか?

問題ありません。ボンディング材層と連続して良質な樹脂含浸層が形成されるからです。加えて優れた接着強さもあるので、コンポジットレジンの重合収縮にも耐えることができます。

窩洞形成後の歯面はどの程度乾燥させればよいですか?水分が残っていてもよいですか?

通常のエアーブローで十分です。AQボンドSPは水溶媒系ですので、多少の水分が残っていても問題ありません。

キャタスポンジは必ず使わなければいけませんか?

必ず使ってください。キャタスポンジには接着促進成分が含まれていますので、使わなかった場合は「良質な樹脂含浸層」を形成できないため、十分な接着性能が発揮できません。

ボンド採取時の注意点は?

ボンドには揮発しやすいアセトンが含まれているので、採取後は速やかにご使用ください。蒸散を抑制した構造のV型ダッペンでも、3分が目安です。塗布前にアセトンが揮発してしまうと、膜厚が厚くなり接着強さも低下しAQボンドSP本来の性能を発揮しなくなります。

操作テクニック・注意
  • キャタスポンジ1個でボンド1~2滴使えます。
  • 必ず専用のキャタスポンジを使用してください。
  • V型ダッペンに滴下したボンドは3分以内に使用してください。他のダッペンを使用すると、揮発が早く性能が損なわれる恐れがありますので、速やか(1分以内)に使用してください。
  • 冷蔵庫で保管してください。
キャタスポンジ

室温で保管していたところキャタスポンジが変色していました。接着強さは低下しませんか?

キャタスポンジが変色しても接着強さは低下しません。しかしボンドは冷蔵庫保管ですので、セット箱ごと冷蔵庫で保管してください。

混合液の塗布についての注意点は?

スメア層の除去と象牙質の脱灰を確実に行うため、塗布面が十分潤うようにし、10~20秒間は濡れた状態を保ってください。

光硬化させた後に唾液が付着してしまいました。どうすればよいですか?

水洗・乾燥した後に再度、「混合液を塗布」から操作してください。

ボンド混合液が歯肉や粘膜に付着してしまった場合、どのようになりますか?

歯肉や粘膜が白化したり、場合によっては発赤、水疱、びらん、潰瘍等の症状が現れることがあります。エアーブロー時は必ずバキュームを併用し、出来るだけ口腔内飛散を防いでください。また、予めワセリン等の歯肉保護材の塗布やラバーダムの使用は、歯肉や粘膜への付着防止に有効です。なお、白化や各種の症状は通常、数日~2週間程度で回復します。

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